第77回日本良導絡自律神経学会の開催にあたり、心よりご挨拶申し上げます。
本学会は、長きにわたり「良導絡」を基盤として、自律神経研究と東洋医学の融合を追求してまいりました。今日、科学技術は飛躍的な進歩を遂げていますが、その一方で、生命の全体性や人間の心身の調和を捉える東洋医学の視座は、依然として新鮮な輝きを放っています。
本大会のテーマ「科学を凌駕する東洋医学 ―導引、経絡、良導体―」は、単に科学を否定するものではありません。むしろ、科学的検証を重ねつつも、科学の枠組みを超えて人間存在の深奥に迫る東洋医学の可能性を示すものです。導引は身体と心を調える実践、経絡は生命の流れを可視化する理論、そして良導絡は自律神経の働きを測定し、臨床に応用する橋渡しの役割を担います。これら三位一体の視点こそが、未来の医学に新たな地平を切り拓く鍵となるでしょう。
第77回という節目を迎える本学会は、先人の叡智を継承しつつ、若い世代との対話を深め、国際的な交流を広げる場でもあります。そして今回は、国際都市・神戸において、神戸市産業振興センターを会場に開催されます。
神戸は古来より港町として世界に開かれ、多様な文化が交差することで独自の歴史と風土を育んできました。震災からの復興を経て、今なお国際交流の拠点として発展を続けるこの都市は、東洋医学の普遍的価値を世界に発信するにふさわしい舞台です。
また、会場となるハーバランドは、海と街と人が調和する象徴的な空間であり、未来志向の交流拠点として知られています。この地での開催は、東洋医学が目指す「調和」と「連携」の理念を体現するものであり、国内外の研究者・臨床家が集い、新たな連携を生み出す契機となることを期待しております。
さらに本大会では、国際的な共同研究の推進と若手研究者の育成を重要な柱として位置づけています。海外の研究者との合同セッションや国際シンポジウムを通じて、多様な視点を取り入れ、東洋医学の普遍性を世界に示す試みを進めます。同時に、若手研究者が自由に発表し、討論できるワークショップや交流プログラムを設け、次世代の担い手が国際的ネットワークを築き、自らの研究を世界に発信する機会を提供いたします。
科学と東洋医学の架け橋として、ここに集う皆様と共に、新しい時代の医療の姿を描き出していきたいと願っております。ご参加いただく皆様の探究心と情熱が、学会をさらに豊かなものにし、未来への希望を紡ぐことを確信しております。どうぞ本大会を通じて、東洋医学の可能性を共に体感し、次なる一歩を踏み出していただければ幸いです。(病理学)